【光合成】植物は水だけで成長する?自分でエネルギーをつくる仕組みとは

中学

わたしたち動物は、植物や他の動物を食べることで、生きるためのエネルギーや体をつくる物質をとっています。

しかし、植物は食虫植物などの一部の例外を除き、水と土の中の少しの養分があれば生きていけます。

それでは、植物は土の中から吸い取った養分ですべてのエネルギーと体をつくる物質をまかなっているのでしょうか?

実は、根から吸い上げた養分は、植物が生きるために使っている養分の一部にすぎません。

植物は、生きるために必要なエネルギーや栄養を自分で作り出しているのです。

この仕組みを光合成といいます。

この記事では、植物の成長に不可欠な光合成について、中学校レベルで簡単に解説していきます!

植物は光合成して栄養を作っている

植物は光合成によってデンプンという糖を作り出しています。

糖は生物が生きるための基本的なエネルギー源で、植物だけでなくわたしたち人間を含む動物も利用しているものです。

動物は一から糖をつくることができないので、植物や他の動物を食べて糖を取り込まなければいけません。

植物はこれを光合成によって自力で作ることができるのです。

光合成でおこること

それでは、光合成とはどのような反応なのでしょうか。

反応に必要なものと、結果としてできるものについて詳しくみていきましょう。

光合成の材料

光合成の材料は二酸化炭素と水です。

最近熱帯雨林の面積が減少してきていて、それが地球温暖化の原因になっているという話は、誰もが一度は聞いたことがあると思います。

森林に生えている多くの木が、光合成のために二酸化炭素を吸収することで、大気中の二酸化炭素濃度を低下させているのです。

光合成のエネルギー

光合成には二酸化炭素と水に加えて、これをデンプンに変えるためのエネルギーが必要です。

そのエネルギーとは、「光合成」の「光」。太陽からの光エネルギーです。

植物にずっと日光を当てないと枯れてしまうのは、光合成ができなくなるためです。

光合成でできるもの

二酸化炭素と水を吸収し、日光のエネルギーを利用して、デンプンを作ります。

このデンプンと一緒に、副産物として酸素ができます。

実は、現在大気中にある酸素は植物の祖先が光合成によって作り出したものです。

それ以前の地球の大気は、実は90%以上が二酸化炭素でした。

今地上で動物が生きていけるのは、植物が光合成で作った酸素のおかげなのです。

植物が緑色の理由!光合成をする場所

植物は光合成をすることで、食べなくても生きていけます。とても便利な特殊能力ですよね。

では、なぜ動物は光合成できないのに、植物だけがその能力を持つのでしょうか。

それは、植物が光合成をするための特別な器官を細胞内に持っているからです。

その特別な器官のことを葉緑体といいます。

葉緑体は小さな袋状の構造で、その名の通り色は緑色です。

植物は細胞内にこの緑色の葉緑体を大量に持っているため、緑色の体をしているのです。

もしも人間を光合成できるようにしたら、肌は緑色になるかも…!

次世代のためにエネルギーを蓄える

最後に、光合成でできたデンプンのゆくえを見ていきましょう。

光合成で作られたデンプンはしばらくは葉緑体の中にありますが、やがてその細胞内でエネルギー源となります。

しかし、全部がその細胞だけに使われるわけではありません。

余った分は水に溶けやすい形に変えられて、水に溶かして植物の体の別の場所に運ばれます。

運ばれる先は光が当たらず自分では光合成できない根や、活発に成長している茎の先端、そして花や果実、種子や芋などです。

特に次世代の体をつくるためのエネルギーを蓄える種子や芋には、出芽までに必要なデンプンがたっぷりと蓄えられているのです。

まとめ

  • 植物は太陽からの光エネルギーを利用して二酸化炭素と水からデンプンと酸素をつくっている。このしくみを光合成という。
  • 植物は細胞内に葉緑体という緑色の小さな袋を持っていて、この部分で光合成をしている。
  • デンプンは細胞内のエネルギーとして利用される。また、水に溶けやすい物質に変化して、活発に成長している部分や次世代をつくるために必要な器官に輸送される。

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