CCライセンスとは?論文紹介を収益化するには

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みなさん、CCライセンスって聞いたことありますか?

恥ずかしながら、私は論文紹介と著作権について調べているときに初めて知りました。

ブログなどで論文紹介するとき、著作権のことは気になりますよね。

特に広告収入などを得ようとする場合、著作権侵害は大きな問題になってきます。

著作権のことを無視して稼いでいた場合、訴えられる可能性も…。

そこで是非知っておくべきなのがCCライセンス。

CCライセンスとはインターネット時代のための新たな著作権ルールです。

これからインターネット上で何かを発信していくつもりの人にとっては必須の知識でしょう。

今回の記事では、論文の場合を中心として、CCライセンスについてまとめていきたいと思います。

論文紹介する時の著作権のルールについて詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてください!

CCライセンスとは

CCライセンスとは

CCライセンスを一言で言うと、「インターネット時代のための新しい著作権ルール」です。

ここ20年間で、インターネットはかなり普及してきました。

今や一家に一台はパソコンがあるし、スマホに至っては一人一台持っています。

これに伴い、色々なコンテンツがインターネット上にアップされるようになりました。

そんなインターネット時代とも言える現代では、今までの著作権ルールが最適とは言えなくなってきたのです。

なぜ新しいルールが必要なのか?

インターネットは大量のコンテンツで溢れている世界です。

ここでは、いかに多くの人に自分のコンテンツに触れてもらうかが重要になってきます。

そのため、従来の著作権法に従うよりも、むしろ色々な人に自分の作品を二次利用して発信してもらった方が流行りやすくなる傾向があります。

もちろん、著作権を放棄して自分の作品の利用を完全にフリーにするという選択はこれまでにもできました。

しかし、著作権の放棄となると、その作品から自分の望む形で利益を得にくくなってしまいます。

例えばあなたが描いた漫画をホームページにアップし、著作権を放棄したとします。

その漫画は二次創作や転載によって注目を集め、人気作品になりました。

しかし、この漫画を出版して収益を得ようとすると問題が生じます。

著作権を放棄している場合、出版社はあなたにお金を払わなくても自由にその作品を出版できてしまうのです。

しかも、漫画の絵が自分の名前も示されず、フリー素材のように使われてしまうかもしれません。

著作権放棄は多くのクリエイターにとってデメリットが大きすぎると言えます。

CCライセンスの意味

そこで、著作権完全保護状態と著作権放棄状態の中間をとるのが、CCライセンスを表示する方法です。

作者は自分の作品にCCライセンスをつけ、二次利用の仕方を指定します。

これは「ライセンスが示している条件を守れば自由に利用して良いよ」という意思表示になります。

これで、作者は一定の権利を保持しながら二次利用による恩恵も受けられるのです。

CCライセンスの種類

variation

CCライセンスに示す条件は4種類あります。

さらに、この4つの条件の組み合わせによって、6種類のライセンスがあります。

4種類の条件

CCライセンスに表示できる条件は次の4つです。

  1. 表示(BY)
  2. 非営利(NC)
  3. 改変禁止(ND)
  4. 継承(SA)

表示(BY)

作者の名前や作品名、原作へのリンクを表示し、コンテンツが再配布や二次利用であることを明記するという条件です。

さらに原作に表示されているCCライセンス、著作権、免責事項なども表示する必要があります

ちなみに後で解説する6種類のライセンスのうち、BYが含まれないものはありません。

というか、BYまでなくなると著作権放棄状態とほぼ同義ですよね。

非営利(NC)

営利目的での利用はダメだよ!という条件です。

ブログなどに掲載はできても、その記事を収益化するのはアウト。

作者目線からすると、自分の作品でしっかり稼ぎたいならつけておくべき条件です。

改変禁止(ND)

原作を変えなければ使っても良い、という条件です。

つまり翻訳・要約などはアウトで、使うとすれば原作そのままを再掲載するか、引用するかということになります。

これは結構厳しい条件ですよね。

論文紹介という観点で考えると、完全に著作権がある状態とあまり変わらないような気がします。

継承(SA)

作品を二次利用して新しいコンテンツを作った場合、原作と同じCCライセンスを表示するという条件です。

一見簡単なことのように思えるかもしれません。

しかし、ライセンスの種類によってはあなたのコンテンツを使って他人が知らないうちに収益化することなどが可能になります。

どの条件と一緒についているかによって意味が変わってくる表示なので、注意が必要です。

6種類のライセンス

以上の4つの条件を組み合わせて表示できるライセンスは次の6種類です。

  1. CC BY
  2. CC BY NC
  3. CC BY SA
  4. CC BY NC SA
  5. CC BY ND
  6. CC BY ND NC

見ての通り、存在しない条件の組み合わせがあります。

例えばSA表示の意味は、「二次的に作ったコンテンツにも原作と同じ表示をする」です。

しかし、NDがついていると、そもそも「二次的なコンテンツ」を作成できません。

そのためSAとNDは条件として同時には使えません。

このように意味的にありえない組み合わせがあるのです。

次に、それぞれの表示について詳しく見ていきましょう。

CC BY

原作の必要な情報を明記すれば、どんなふうに使ってもOK

という、1番ゆるい条件がこちら。

自分のサイトに原作をそのまま転載したり、翻訳や改変を加えたものを掲載したりできます。

さらにそのコンテンツから収益を得ても良い!という、ブログや動画の収益化を考えている人にとってはとてもありがたい表示です。

ただし、原作に変更を加えている場合は、原作そのままではない!ということを明記しなければいけないので注意が必要です。

CC BY NC

原作の情報を明記することに加え、非営利目的でなければ使えません

収益化しようと思っていない人にとっては、CC BYと同じように使える表示です。

CC BY SA

これはコンテンツを収益化しようとしている人は特に注意するべき表示です。

NCが入っていないので営利目的で使用することはできますが、そうして自分で作ったコンテンツも、CC BY SAを表示しなければいけません

コンテンツの収益化を考えると、その同じコンテンツを他の人が再掲載・再利用したり、収益化したりできることは障害となる可能性があります。

CC BY NC SA

CC BY SAにNCが追加されたバージョンですね。

営利目的の利用はそもそもできないので、CC BY NCより話が簡単かもしれません。

お金を目的としないで、純粋な遊び心でコンテンツを利用してほしいというクリエイターに適した表示でしょう。

CC BY ND

こちらは営利目的の利用はできるものの、改変ができないパターンです。

フリーBGMやフリー画像などに多いイメージですね。

CC BY ND NC

これが最も厳しい表示です。

CC BY NDに加えて、営利目的の利用もできません

こちらもフリーBGMやフリー画像の使用時についていたら注意が必要です。

ライセンスのバージョンとは?

CCライセンスについて調べていると、CC BY 4.0などという表示を見かけることがあると思います。

この4.0というのは、CCライセンスの現在のバージョンのことです。

条件の内容などがバージョンによって若干変わっているので、最新の4.0以外の表示の場合注意が必要です。

ただ、4.0になったのは2013年なので、古いバージョンを見かける機会はそれほどないでしょう

以前のバージョンについてはこちらにまとまっています!↓

License Versions - Creative Commons

論文紹介とCCライセンス

CCライセンスは芸術分野だけでなく、学問の世界にも広がってきています。

筆頭となるのが、世界的な科学誌Natureの出版社NPGの取り組みです。

NPGは2015年から出版するジャーナルでCC BY 4.0を標準として使用しています。

同時に多くのジャーナルでオープンアクセス化を進めています。

これは学問・研究をもっとオープンに進めるべきというNPGの信念に基づいた取り組みだそう。

もちろん、CCライセンスでももっと条件の厳しい表示を選ぶ筆者もいるので、全ての論文でCC BY 4.0になるのはまだまだ先の話でしょう。

しかし、その割合はどんどん増えてきているようです。

論文がどのライセンスを取っているかは、Rights&permissionsの項目に書いてあります。

また、PDF内にもアイコンが載っていますよ。

まとめ

まとめ
  • CCライセンスが表示してある作品は条件を守れば自由に使用できる。
  • CCライセンスには4種類の条件と6種類のライセンスがある。CC BY 4.0が最も自由度が高く、収益化も可能。
  • Natureのジャーナルを中心に、学術論文にもCC BY 4.0の表示が広まってきている。

CCライセンスはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、近年その表示が広まっています。

ここには単にインターネット上でコンテンツを有利に流行させたいというだけでなく、芸術や学術などの文化をもっと活性化したいという思いも少なからず込められていると思います。

自由に利用できるのは確かですが、作者や作品への敬意をもって使用することが大切です。

原作をもとに人を楽しませる、役に立つコンテンツを作成するということも、ひとつの敬意の形ではないでしょうか。

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